
【第5回】
2016年2月1日(月)~2016年2月7日(日)の出来事より
社会の状況は日々刻々と変化をしています。このコーナーで、主な出来事について、その概要を理解することに加えて、日常的に「新聞を読む」「ニュースを見る」などの習慣をつけていくようにしましょう。
≪問題1≫
*安倍晋三首相は2月3日、戦力の不保持を宣言した憲法( A )条2項について「( B )の憲法学者が自衛隊について憲法違反の疑いを持っている状況をなくすべきではないか、という考え方もある」と述べ、改正の必要性に言及した。
① A:9条 B:7割 ② A:13条 B:7割 ③ A:25条 B:7割 |
④ A:9条 B:5割 ⑤ A:13条 B:5割 |
≪問題2≫
「環太平洋連携協定(TPP)」に関する内容で、( )に入る適切な語句の組み合わせはどれか?
*TPP参加( A )は2月4日、ニュージーランドで協定文に署名した。昨年10月に大筋合意した協定文が確定し、今後は議会承認など国内手続きを本格化させる。協定が発効すれば国内総生産(GDP)で世界の約( B )を占める巨大経済圏が誕生する。
① A:12ヵ国 B:3割 ② A:12ヵ国 B:4割 ③ A:12ヵ国 B:5割 |
④ A:8ヵ国 B:4割 ⑤ A:8ヵ国 B:5割 |
≪問題3≫
農林水産省が2月2日発表した2015年の農林水産物・食品の輸出額(速報値)は、前年比でどれだけだったか?
① 21.8%減 ② 10.9%減 ③ 10.9%増 |
④ 21.8%増 ⑤ 32.7%増 |
≪問題4≫
「安全保障」に関する内容で、( )に入る適切な語句の組み合わせはどれか?
*安倍晋三首相は2月4日の衆院予算委員会で、安全保障関連法の3月施行に伴い、( A )に派遣している陸上自衛隊の国連平和維持活動( B )について任務拡大を検討していると明言した。
① A:カンボジア B:PKO ② A:カンボジア B:PKF |
③ A:南スーダン B:PKO ④ A:南スーダン B:PKF |
⑤ A:南スーダン B:NGO |
≪問題5≫
文部科学省が公表した、「読む、聞く、書く、話す」の英語四技能をみる本年度の英語力調査の結果(速報値)では、中学三年で、国が目標とした英検三級程度をクリアした割合は「読む」でどれだけだったか?
① 9.6% ② 26.1% ③ 37.6% |
④ 46.6% ⑤ 59.6% |
【解答と解説】
≪問題1≫ 解答:①
安倍首相は、戦力の不保持を規定した憲法9条2項に直接言及して改憲の必要性を訴えた。「憲法学者の7割が9条1項、2項を読む中で、自衛隊の存在自体に憲法違反の恐れがあると判断している」と指摘。その上で「憲法学者が自衛隊に疑いを持っている状況をなくすべきだという考え方もある」と述べた。
予算委では、自民党の稲田朋美政調会長が、憲法学者の7割が自衛隊の違憲性を指摘しているとの見方を示した。その上で「現実に合わなくなっている9条2項をこのままにしておくことこそが立憲主義の空洞化だ」と訴えた。
これに対し、首相は自衛隊は合憲だとする政府の見解を説明。他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法が憲法学者に違憲と指摘されたことを念頭に「自衛隊の存在、自衛権の行使そのものが憲法違反だと解釈している以上、当然、集団的自衛権も憲法違反になるんだろう」と述べた。
≪問題2≫ 解答:②
日米など環太平洋連携協定(TPP)参加12カ国は、ニュージーランドの最大都市オークランドで協定文に署名した。昨年大筋合意した協定文が確定し、今後は議会承認など国内手続きを本格化させる。協定が発効すれば国内総生産(GDP)で世界の約4割を占める巨大経済圏が誕生する。
TPPは、太平洋周辺地域での貿易と投資の自由化に加え、サービスや知的財産などのルールを決める包括的な経済連携協定。日本では関税の撤廃や削減で輸入が拡大し特に農林水産業が打撃を受ける可能性が指摘されている。
各国は2年以内の発効を目指し国内手続きを本格化させるが、発行は2018年4月以降との見方が濃厚である。
発効すれば、日本は輸入関税に関し農林水産物や工業品を合わせた貿易額ベースで95%を撤廃する。農林水産物では最終的に81%の関税をなくす。
≪問題3≫ 解答:④
発表によると、2015年の農林水産物・食品の輸出額(速報値)は、アジアや米国向けを中心に前年比21.8%増の7452億円となり、3年連続で過去最高を更新した。円安の影響や海外での和食ブームに加え、東日本大震災での東京電力福島第1原発事故後に各国で導入された日本産食品に対する輸入規制が徐々に緩和、撤廃されたことなどが要因。
ただ、農産品の輸入額は9兆5185憶円と、輸出の13倍。TPPが発効すれば、さらなる輸入増が予想され、農家の経営は厳しくなる。このため政府は「20年に輸出額1兆円」の目標を前倒しする方針である。
≪問題4≫ 解答:③
安倍晋三首相は、南スーダンに派遣している陸上自衛隊のPKOについて「駆け付け警護」などの任務拡大を検討していると明言した。「法律が通ったのだから任務の付与を検討している。しっかりとした準備や訓練が必要になる」と述べた。首相が南スーダンPKOでの任務拡大について、具体的に言及したのは初めて。
駆け付け警護は、武装集団に襲われた国連要員らを、武器を使って救出する行為。安保関連法成立で武器使用基準が緩和され可能となった。
首相は、新たに加える任務の具体的内容や時期について「政府内で慎重に検討を進めていく必要がある。現時点では任務拡大の要否も含め、具体的な方針は決まっていない」とも述べた。
≪問題5≫ 解答:②
文部科学省の公表によると、対象とした中学三年、高校三年はいずれも国が英語教育に力を入れ始めた世代だったが、国の目標には届かなかった。
国は中学卒業段階で英検三級程度、高卒段階で英検準二級~二級程度の割合を50%とする目標を掲げている。
中三は、国が目標とした英検三級程度をクリアしたのは「読む」26.1%、「聞く」20.2%、「話す」32.6%だった。2011年度に小学校五、六年で必修化された「外国語活動」を経験した最初の世代だったが、「書く」で43.2%と高い数値を示す一方で無回答が12.6%いるなど、全体的に習熟度の差が目立った。
高三は、英語での授業を基本とするなどした新学習指導要領に切り替わった学年で、前年度に比べ成績は上がった。ただ、国の目標の準二級程度以上だったのは「読む」32.0%(前年度比7.3ポイント増)、「聞く」26.5%(4.9ポイント増)、「書く」17.9%(6.9ポイント増)、「話す」11.0%(0.5ポイント増)にとどまった。
同時に行った意識調査では「英語が好き」と回答したのは中三56.1%、高三44.5%にとどまった。
◎次回は2月22日(月曜日)更新予定となります。
バックナンバー