
【第13回】
2016年3月28日(月)~2016年4月3日(日)の出来事より
社会の状況は日々刻々と変化をしています。このコーナーで、主な出来事について、その概要を理解することに加えて、日常的に「新聞を読む」「ニュースを見る」などの習慣をつけていくようにしましょう。
≪問題1≫
3月29日、参院本会議で自民、公明両党などの賛成多数により可決、成立した政府の2016年度予算は、およそどれだけとなったか?
① 88兆7218億円 ② 92兆7218億円 ③ 96兆7218億円 |
④ 100兆7218億円 ⑤ 104兆7218億円 |
≪問題2≫
安全保障関連法に関する内容で、( )に入る適切な語句の組み合わせはどれか?
*他国を武力で守る( A )の行使容認を柱とする安全保障関連法が3月29日に施行された。( B )に関しては、離れた非政府組織職員などを守る「駆け付け警護」や治安維持活動ができるように任務を追加した。
① A:集団的自衛権 B:PKO ② A:個別的自衛権 B:PKO |
③ A:集団的自衛権 B:NPO ④ A:個別的自衛権 B:NPO |
⑤ A:集団的自衛権 B:NSC |
≪問題3≫
電力小売り自由化に関する内容で、( )に入る適切な語句の組み合わせはどれか?
*電力小売りの全面自由化が4月1日に始まり、大手電力10社の地域独占が崩れ、約( A )の市場が開放される。新規参入の電力小売り会社として政府に登録したのは、3月25日時点で、( B )となっている。
① A:4兆円 B:176社 ② A:4兆円 B:266社 |
③ A:8兆円 B:176社 ④ A:8兆円 B:266社 |
⑤ A:12兆円 B:176社 |
≪問題4≫
政府が3月30日に決めた新しい目標では、2020年に訪日外国人数をどれだけにするとしたか?
① 2000万人 ② 2500万人 ③ 3000万人 |
④ 3500万人 ⑤ 4000万人 |
≪問題5≫
4月1日から変わった生活にかかわる制度・税制で、負担増となったものはどれか?
① 保育園・幼稚園の保育料 ② 国民年金保険料 ③ 雇用保険料率 |
④ ジュニアNISA ⑤ 燃油サーチャージ |
【解答と解説】
≪問題1≫ 解答:③
2016年度予算の一般会計の総額は96兆7218億円と過去最大になった。世界経済の減速を受け、政府は予算執行を前倒しして国内景気の下支えを急ぐ。
予算成立後、安倍晋三首相は記者会見で「アベノミクスの温かい風を全国に広げ、GDP600兆円の目標に向けて強い経済を確かなものにする予算だ」と述べた。
16年度予算は、政権が掲げる「一億総活躍社会」の実現に向け、子育てや介護支援などに2兆4000億円を充てた。今夏の参院選をにらんで生活支援色を前面に押し出す一方、防衛費が初めて5兆円を突破。アジア・アフリカ地域などへの政府開発援助(ODA)も17年ぶりに増額した。
≪問題2≫ 解答:①
他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法が施行された。これにより、日本は攻撃されていなくても戦争参加が可能になった。
集団的自衛権の行使容認に関しては「他国への攻撃で国民の生命が根底から覆される明白な危険がある」場合を存立危機事態として武力行使できるとした。事態の認定は、政権の「総合判断」に委ねられる。
周辺事態法を改正した重要影響事態法は、米軍の戦闘支援を日本周辺から他国軍を含む世界規模に拡大。国際平和支援法は日本の安全と直接関係なくても他国軍支援を世界中で随時できるようにし、非戦闘地域の限定も外した。
突発的な衝突で攻撃された米艦を守る「平時の米艦防護」も可能にした。
国連平和維持活動(PKO)に関しては、離れた非政府組織(NGO)職員などを守る「駆け付け警護」や治安維持活動ができるように任務を追加。海外での邦人救出も可能とした。自衛でなく相手の妨害を取り除く「任務遂行型」の武器使用を解禁した。
≪問題3≫ 解答:④
家庭が電力会社を選べるようになる電力小売りの全面自由化が始まった。
今回自由化される家庭向け市場は全国で8兆円で、住宅のほかコンビニエンスストアや歯科医、自営業の事務所なども対象となる。
全国を10エリアに分けて管轄してきた大手電力に対して、新規参入組は「新電力」と呼ばれ、3月25日時点で266社が国に「小売電気事業者」として登録している。
電力広域的運営推進機関(広域機関)の発表では、3月25日時点で新規参入の電力会社(新電力)に契約を切り替える準備に入った家庭が、全国で73万8800件になった。総契約数(約8513万件)の約0.9%にすぎないが、18日時点と比べて21万6000件増えた。
≪問題4≫ 解答:⑤
政府は、東京五輪・パラリンピックが開かれる2020年に、訪日外国人旅行者数を4000万人に増やし、消費額を8兆円に引き上げる新たな目標を盛り込んだ観光戦略を決めた。いずれも15年の2倍超。
安倍晋三首相は3月30日の観光ビジョン構想会議で「訪れたくなる日本を目指す。観光を基幹産業に成長させる」と述べ、名目国内総生産(GDP)600兆円実現に向けた「エンジン」とする考えを示した。
新目標では、来日が2回目以上の「リピーター」を2400万人(現状の約2倍)、三大都市圏以外の地方に宿泊する外国人の延べ数を7000万人(同3倍弱)とした。国内旅行市場も活性化させ、日本人の消費額も維持する。30年の目標値も示し、訪日客数6000万人、消費額15兆円とした。
≪問題5≫ 解答:②
税制面では、環境に配慮した車を購入した場合に翌年度の自動車税を軽減する「エコカー減税」の適用基準が厳しくなる。車種によっては減税対象外となり、実質増税になるケースが出てくる。
オートバイなど二輪車の所有者が毎年支払う軽自動車税も、4月以降に取得した新車(乗用車)の税額は排出量に応じて1.5~2倍に上がる。排気量50cc以下のミニバイクでは現在の1000円から2000円になる。
未成年者向けの少額投資非課税制度「ジュニアNISA(ニーサ)」が始まり、両親や祖父母らが子や孫のために投資した利益の一部が非課税になる。
社会保障では、年収360万円未満の世帯で、保育所や幼稚園の保育料が軽減される。一方、国民年金の保険料が月670円上がるほか、紹介状なしで大病院を受診すると、初診で5000円以上の負担などを求められる。
制度面では、電力の小売り全面自由化が始まり、一般家庭でも電力会社を自由に選べるようになる。ガスや通信などのサービスと組み合わせると料金が割引されるプランもあり、家庭の節約につながる。
また原油安の恩恵で、日本航空とANAグループが燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)を約6年半ぶりにゼロにする。
◎次回は4月18日(月曜日)更新予定となります。
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