
【第6回】
2016年2月8日(月)~2016年2月14日(日)の出来事より
社会の状況は日々刻々と変化をしています。このコーナーで、主な出来事について、その概要を理解することに加えて、日常的に「新聞を読む」「ニュースを見る」などの習慣をつけていくようにしましょう。
≪問題1≫
財務省の発表では、国債と借入金、政府短期証券を合計した「国の借金」の残高は、2015年12月末時点で、国民1人当たりではいくらになるか?
① 24万円 ② 224万円 ③ 424万円 |
④ 624万円 ⑤ 824万円 |
≪問題2≫
財務省が2月8日発表した2015年の国際収支速報によると、旅行者のお金の出入りを示す「旅行収支」はどれだけだったか?
① 約1兆円の黒字 ② 約5000億円の黒字 ③ 約500億円の黒字 |
④ 約5000億円の赤字 ⑤ 約1兆円の赤字 |
≪問題3≫
厚生労働省の発表では、市町村が運営している国民健康保険(国保)の2014年度の実質的な赤字はどれだけだったか?
① 4585億円 ② 3585億円 ③ 2585億円 |
④ 1585億円 ⑤ 585億円 |
≪問題4≫
中日本高速道路の試算では、新東名高速道路の豊田東-浜松いなさジャンクション間の開通により、並走する東名高速道路の区間で、渋滞による経済損失の解消額は、年間でどれだけになるか?
① 1億円 ② 3億円 ③ 5億円 |
④ 10億円 ⑤ 15億円 |
≪問題5≫
科学実験の成果に関する内容で、( )に入る適切な語句の組み合わせはどれか?
*2月11日、( A )が100年前に存在を予言した( B )を、米大学を中心とした国際実験チーム「LIGO(ライゴ)」が観測に成功したことを発表した。
① A:ハッブル B:重力波 ② A:ハッブル B:引力波 |
③ A:アインシュタイン B:重力波 ④ A:アインシュタイン B:引力波 |
⑤ A:湯川秀樹 B:重力波 |
【解答と解説】
≪問題1≫ 解答:⑤
発表によると、「国の借金」の残高は2015年12月末時点で1044兆5904億円だった。16年1月1日時点の総人口1億2682万人(総務省推計)で割ると、国民1人当たり約824万円の借金を抱えている計算になる。
前回発表の15年9月末時点から9兆8340億円減ったが、財務省は「一時的な資金繰りが要因で、借金が減少傾向に転じたわけではない」としている。
高齢化で増え続ける社会保障費などの財源不足は変わらず、15年度末の借金残高は過去最大の1087兆3千億円に膨らむ見込みである。
≪問題2≫ 解答:①
発表によると、旅行者のお金の出入りを示す「旅行収支」が1兆1217億円の黒字だった。暦年での黒字は1962年以来53年ぶりで、訪日客の増加と「爆買い」にみられる活発な消費が貢献した。
東日本大震災後は貿易赤字に沈む一方、旅行と同じサービス収支に含まれ、特許料収入などを示す「知的財産権等使用料」の黒字も増えた。
海外との取引全体を示す経常収支の黒字額は原油安で輸入額が減った効果もあり、前年比6.3倍の16兆6413億円に急拡大した。
≪問題3≫ 解答:②
発表によると、国民健康保険(国保)の2014年度の実質的な赤字が13年度から447億円増え3585億円だった。高齢化により1人当たりの保険給付費が20年度以降で最多の27万6737円に膨らみ、支出を押し上げた。
保険料納付率の全国平均は90.95%で、13年度比0.53ポイント改善した。都道府県別では、島根の95.25%が最高。最低は東京の86.74%だった。
国保加入者は3302万人で95万人減少した。
75歳以上が入る後期高齢者医療制度の保険料納付率の全国平均は0.01ポイント増の99.26%で、08年度の制度開始以降で最高だった。
≪問題4≫ 解答:④
2月13日、新東名高速道路の豊田東(愛知県豊田市)-浜松いなさ(浜松市)ジャンクション間の55キロが開通した。豊田東-御殿場(静岡県御殿場市)ジャンクション間の200キロがつながった。並行して走る東名高速道路のバイパスができ、愛知県三河地方で慢性的に発生している渋滞の緩和が期待されている。
豊田東-浜松いなさJCT間の開通により、並走する東名高速道路の区間で、渋滞による年間10億5000万円の経済損失が解消されることが分かった。中日本高速道路が試算した。
また、民間シンクタンクの三菱UFJリサーチ&コンサルティングは昨年3月、東名道の渋滞緩和に伴い愛知、静岡の両県を訪れる観光客が年間計1163万人増えると見込み、観光客の増加で年間1007億円の消費が生まれるとの独自試算を公表している。
≪問題5≫ 解答:③
アインシュタインが存在を予言した「重力波」について、米大学を中心とした国際実験チーム「LIGO(ライゴ)」が、ワシントンで記者会見を開き「2つのブラックホールが合体したときに放たれた重力波の観測に成功した」と発表した。重力波の直接観測は世界初で、宇宙の成り立ちに迫るノーベル賞級の成果である。
重力波はアインシュタインが一般相対性理論で1916年に存在を予言した。ブラックホールのような非常に重い物体が激しく動くと、周囲の時間の流れや空間が揺れて、波のように伝わる現象とされる。
重力波の初観測により、重力や時空を説明する相対性理論の正しさがあらためて裏付けられた。光や電波では見えない天体の姿や生まれたての宇宙を調べられると期待されている。
日本も岐阜県飛騨市の地下に重力波望遠鏡「かぐら」を建設。ノーベル物理学賞を受賞した梶田隆章東大宇宙線研究所長らが観測を目指している。
◎次回は2月29日(月曜日)更新予定となります。
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